訳者の序
GDB (The GNU Source-Level Debugger) とは、GNU Software の一つとして
配布されているソースレベル・デバッガのことです。
Unix で動作するソースレベル・デバッガとして有名なものに BSD Unix の
dbx がありますが、GDB は、dbx を使っていた際に訳者が感じた様々な不満
(巨大なプログラムをデバッグできない、遅い、変数の内容表示が貧弱
などと言った点) を、ほとんど解決しています。
それでは、GDB の特徴を簡単にまとめてみましょう。
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BSD Unix の dbx アッパーコンパチ。cc でコンパイルしたオブジェクトと
gcc でコンパイルしたオブジェクトの両方をデバッグできる。
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ソースファイルのローディングは、必要が生じたときに行なう。従って、
極めて高速に動作する。
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巨大なプログラムのデバッグを支障なく行うことができる。
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変数内容の表示機能が多彩。キャストも正しく理解する。
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ブレークのかけ方や処理の継続方法が多彩である。
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Emacs (Nemacs) から GDB を呼ぶと、実行中のソースを同時に見ながら
デバッグすることができる。
本マニュアルは、verison 3.5 の GDB に付属してくる `gdb.texinfo' を
和訳したものです。最新の GDB は version 4.7 (1993年2月現在) ですが、
基本的な機能に変更はありませんので、このマニュアルに書かれている
内容は、ほとんどそのまま流用できると思います。
本文書が、わが国における GDB 普及の一助となれば幸いです。
1993年2月 古場 正行
ある日突然思い立って、HTML化してみました。
1996年7月 古場 正行
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