ヴァンダルハーツ

VANDAL HEARTS

〜失われた古代文明〜


第3章 明日への脱出


第1節 嘆きの台地

将軍たちを牢から連れ出すことに成功したアッシュ達だったが、裏口にはすでにドル フ、そしてヘルが待ちかまえていた。将軍は残った魔石のパワーを使い、皆を救うた めに再びダークロードの力を解き放った。しかし、魔石の本体はドルフが持っている 。ドルフは魔石の力をコントロールできるというのだ。
ドルフが魔石の力を引き出したとき、将軍も最後の攻撃に出た。ぶつかり合う2つの 巨大な力。その中心部にはプラズマと共に何かが口を開こうとしていた。戦いの行方 は明白だ。魔石本来の力を引き出しているドルフの魔力が、魔石の残り香にすがって いるだけの将軍を徐々に押し始めた。そして、プラズマが将軍の身体を包み込むかの ように見えたとき、強大な力の余波はその中心部に時空の裂け目を生じさせた。将軍 本人と近くにいたアッシュ、サリア、ラドーをも巻き込んだ後、急速にプラズマは縮 小していった。
プラズマに引き込まれた4人は見たこともない場所で目覚めた。ごつごつした岩の台 地、周囲で燃え盛る炎、その下に見える灼熱の溶岩。混乱しているパーティに得体の 知れない怪物が襲いかかった。
身をていして庇う将軍だったが、先のドルフとの戦いで受けたダメージは拭い去られ てはいなかった。3人が見ている目の前で将軍は息を引き取る。周囲には火の玉のよ うに見える死者の魂が浮遊し、彼らを待ち受けている。
「とにかくこいつらを何とかしなければ!」

第2節 嘆きの台地2

ゴーストを打ち倒し、将軍を丁重に葬っていた一行の前に謎の魔術師が現れた。この まま真っ直ぐに進めば街があるというのだ。得体の知れない土地に既に人がおり、あ まつさえ街もあるという。情報収集のため一行は取り合えず街に向かうことにした。
ここは最果ての街。次元の隙間に漂う浮島のような存在。何らかの原因で時空の狭間 に飛ばされた人間は、別の時空に現れるという。しかし、中には永遠に時空の狭間を 漂うはめになる人間もいる。そういった人間の作った街がここなのだ。
すべてから見放された人々。街にも退廃的なイメージが色濃い。この空間から脱出す ることは簡単だという。どの方向でもいいからとにかく真っ直ぐ歩き続ければ、必ず いつの時代のいつの場所かは解らないが通常空間にでるらしい。
仲間の救出、ヘルの陰謀の打倒という明確な目的を持った一行には、そんな不確定な 方法を取ることは出来なかった。悩む一行の前に先ほどの魔術師が再び現れた。アッ シュらの話の中に出てきた「魔石」という言葉に反応したらしい。
彼はサムデラと名乗った。彼の話では一度不安定になった時空の裂け目は近い内に再 び活性化することがあるという。その活性化した断層に飛び込めば、元の通常空間に 近い場所、時間に戻れるらしい。
サムデラを加えた一行は、再び将軍の眠る嘆きの台地にやってきた。サムデラは時空 の歪みの力を増幅するために台地の周囲に魔法塔を建て準備を進めていた。後は再び 裂け目が姿を見せるのを待つだけとなった時、またしてもゴーストが襲いかかってき た。
一行にとって何てことはない敵だが、魔法塔を一撃で破壊するだけの力は持っている 。もし、魔法塔を全滅させられてしまえば、元の世界に戻るチャンスは永遠に失われ てしまう。
「何としてでも魔法塔を守り抜くんだ!」

第3節 (忘れました・・)

魔法塔を守り抜いた一行は台地の中心部に現れたプラズマに次々と飛び込んで行った 。目の前を超高速に移動する光の帯の様なものを感じた刹那、懐かしい太陽のあたた かさを腕に、草と土の大地の感触を足に感じていた。眩しさに細めていた目を開けれ ば、そこはどこかの村のようだった。
残念ながら見知った村ではなかったが、その中にいる人物にははっきりと見覚えがあ った。村の反対側にあるひときは大きな建物の回りで行われている戦闘の直中にいる のは、間違いなくホセ、ドルメン、ホルクス、そして警備兵団の隊長だ。
「ホセ!挟撃するぞ。」

第4節 ジルの関所

無事に隊長と合流したアッシュは時空の狭間に飛ばされたあの時点からすでに3年の 歳月が流れていることを知らされて驚愕した。しかもヘルはその間に議会を乗っ取り みずから皇帝を名乗って帝国を築き上げたという。そして、民衆の間には神聖王国の 末期のような腐敗した政治に業を煮やし、再び反乱の機運が高まっているという。
隊長やホセらはその先鋒として闘っているというのだ。隊長はアッシュの帰還を機に 攻勢に出るため、政治戦犯の捕まっている要塞刑務所を襲撃することを提案する。そ こにはキースやエリナも捕らえられているらしい。
隊長自身は各地に散らばる反乱軍に決起を促すため旅に出た。アッシュらは命を受け 、要塞刑務所に向かう。
一行はリド街道に繋がる帝国の関所に差しかかった。
「敵は油断している。一気に叩くぞ!」

第5節 リド街道

そのころ、帝国の城の中では首脳陣による密談が行われていた。ギルバレス島で発見 された「魔石」は、古代世界のすべてを焼き尽くしたという「裁定の炎」に他ならな いという事実がドルフから報告されていた。
しかし、「魔石」だけでは「裁定の炎」を発動することは出来ないという。発動のた めには「王家の指輪」と呼ばれるアイテムが必要だと古文書は告げていた。「王家の 指輪」は先の王国消滅のごたごたの中で何処かに姿を消してしまっていた。
帝国の大義名分のため、「裁定の炎」を欲するヘルは、「王家の指輪」探索を命じた 。
自らの支配欲のために無限の権力を嘱望するヘル、そのヘルをも利用しようと陰謀を 巡らすドルフ。城内には黒い霧が渦巻いていた。
一方刑務所に向かうリド街道の途中に差しかかった一行の前に、帝国軍の偵察隊が姿 を現した。幸い向こうはまだこちらに気づいていないようだ。ここで見つかって刑務 所に知らせが行ったのでは奇襲計画がふいになってしまう。
「一人でも逃してはまずい。十分に引きつけて殲滅させるぞ。」

第6節 要塞刑務所(内部)

要塞刑務所の地下牢に新たなど同居人が加わった。看守に連れてこられた老人はクレ イマール伯。あのドブル地区の教会で出会った旧貴族の代表者だった。その激しい拷 問によって衰弱しきった老人に居ても立ってもいられなくなったのか、看守の足音が 遠ざかるのを確認して、牢の先人が手を差し伸べる。
牢の中にいたのはキースだった。そしてもう一人ゲニウスと名乗る中年の太った男だ 。キースはクレイマール伯から帝国が王家の指輪を探し始めていることを伝えられる 。しかし、自分は牢の中。何もすることが出来ない苛立ちに心を痛めていた。
そのとき牢の外に新たな足音が聞こえてきた。そしてすらっとした見覚えのある姿が 牢の前に立つ。リーンだった。あの信じられない裏切りの後で初めてキースの前に姿 を現したのだ。リーンはせっぱ詰まった様子で牢の鍵束をキースに渡した。
キースらの処刑が明日の朝に決まったというのだ。リーンは裏切ってしまった後ろめ たさと、キースを死なせては行けないという心の狭間で葛藤しているようだ。キース は助けるが自分はドルフを裏切るわけには行かないので一緒には行けないという。
キースはギルバレス島での裏切りも訳ありだったことを解っているし、今のリーンの 立場も心得ている。リーンを無理に引き留めずにとにかく脱出することを最優先にし なければならない。
他の牢に繋がれているアモン、エリナを救い出し、脱出を計るキース達。しかし階上 にはガードアーマーによって守られた迷路のようなフロアがあった。ここを抜けなけ れば地上には出られない。
「奴等には後ろからの攻撃しか通用しない。引きつけて回り込め。」

第7節 要塞刑務所(外部)

「何だ、これは」 キースの上げた声がすべてを表していた。まるで一行を待ちかまえていたかのように 要塞の城壁の上を埋め尽くす敵の戦士達。その中心には牢獄の主人であるクリムゾン リーダーも見えた。
そして地下牢の出口にはガードアーマーが再び立ち塞がっていた。しかしどんなに困 難でも切り抜けていかなければ明日はない。このままおとなしくしていても明日には 処刑される身だ。捨て身になるわけではないがとにかく活路を切り開かなければなら ない。
エリナの唱えるバスターエンブレムが炸裂すると同時にキース、アモン、ゲニウスが 走り出す。中庭にいた敵はかろうじて倒したものの、城壁の上から攻撃してくるメイ ジやボンバーの攻撃に無防備にさらされていてはいつかは全滅してしまう。
その時、城壁の上が騒がしくなった。クリムゾンリーダーと伝令が何やら叫びあって いる。そして、剣激の音が響き渡った。そして城壁の上から聞こえてきた声はキース 達を再び奮い立たせるに十分な力を持っていた。
「この要塞は反乱軍が占拠する。キース、諦めるのは早いぞ!」

特別節 トロアの試練3

3つめの聖なる鍵は要塞刑務所の外壁の下に埋まっていた。次なる試練には何が待ち受けているのだろうか。



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