ヴァンダルハーツ

VANDAL HEARTS

〜失われた古代文明〜


第6章 愚者の墓碑銘


第1節 ガイアス砦

神殿内の祭壇の上には光の結晶に囲まれた「ヴァンダルハーツ」が眠っていた。リィナは最後の封印を解くべく祭壇に向かう。そのとき、一行の後ろから聞き慣れた悪魔の声が響いた。ガモーである。
ガモーは「ヴァンダルハーツ」復活を阻止するために、復活させた最大の呪文を唱えた。ディメンションフォール、それは人間の魔力のみでは生じることが不可能なはずの次元のひずみを作り出す禁呪だ。
ガモーの手から放たれたプラズマが襲ったのはリィナだった。封印を解く者がいなければ剣は復活しない。リィナはエリナに助けを求めながら、虚空へと消えていった。後を追おうとするエリナをアッシュが引き留める。
ガモーは高らかな笑い後をあげながら、現れたときと同様に何処かへと姿を消した。残されたアッシュ達は、唯一の希望を奪われた形で、放心状態だ。
まだ手はある、そういったのは先ほどまでリィナを追おうとしていたエリナだった。エリナは剣に向かって、リィナが先ほど唱えていた物とまったく同じ韻律を持った呪文を紡ぎ始めた。エリナの周りに光がはじけ、周囲に七色の光点が渦巻き始めた。
エリナはリィナで、リィナはエリナ。エリナが呪文の詠唱に入る前につぶやいた言葉で、アッシュは理解した。時限の歪みに飛ばされたリィナは18年前に戻っていったのだ。きっとベラスコ将軍に拾われ戦災孤児として育てられることになるだろう。そして、再びアッシュ達と出会い・・・
渦巻いていた光の奔流が剣に向かって流れ込んで行く。剣の形に集約した力は、一層輝きを増し、突然はじけるように姿を消した。先ほどまで剣の周りを覆っていた結界が消えている。
アッシュは恐る恐る剣に近づき、柄に手をかけ一気に引き抜いた。力がみなぎってくるようだ。これが「ヴァンダルハーツ」の力。
破滅の剣を手に入れたアッシュ一行は、反乱勢力の大攻勢に呼応すべく首都シュメリアに向かった。一方帝国内部はヘルの死により混乱をきたしていた。そのなかで一人ドルフだけが次なる狂気に向かって牙を研いでいるのだった。
グラスゴーの町を経由してガイアス砦にたどり着いた一行の前に立ちふさがったのは最後のクリムゾンリーダーケインだった。仲間を殺された恨みからか先鋭的な殺気を隠そうともしないケインに対し、アッシュは本当の闘う相手は帝国内部にいるはずだと説得するが、既に国の利害とは無関係に個人的な憎悪に昇華されてしまったケインには通じるべくもなかった。
「しかたがないっ、強行突破する!」

第2節 コバルタの丘

ケインの断末魔の叫びはやはりアッシュに向けられた呪詛の言葉だった。その言葉が耳に残ったアッシュは、幼い頃裏切者の息子として冷たく扱われていた時の記憶の反芻と今まで仕方なかったとはいえ手に掛けてきた帝国の武将たちの亡霊に悩まされ続けることになってしまう。
しかし、何としてもドルフの陰謀を止めなければならない彼らにとって、悩み続けながらも進軍して行くしか無かった。
クラウス団長との合流場所として指定された地点に差しかかった一行は、コバルタの丘で帝国兵と再び接触した。
「また、ひと暴れしなきゃならないようだ」

第3節 首都シュメリア

アッシュの様子が戦闘中からおかしかった。時折耳を塞ぐ仕草や空を見回す仕草を見せていたのだ。心配する一行の中心でアッシュは突然苦しみ出す。そして獣のような雄叫びと共に、まるで魔石に支配されていたベラスコ将軍の様な姿に変身した。
自分が心に秘めていた記憶。革命後期に民衆を裏切った男の息子と呼ばれていた記憶が怒りとなってヴァンダルハーツに増幅されているのだ。錯乱しているアッシュはエリナや他のメンバーにも襲いかかるようになってしまった。そして、合流してきたクラウス団長が、その刃に倒れてしまう。
命の恩人を手に掛けた瞬間、アッシュは正気を取り戻した。深手を負ったクラウスはカノースの町で言いそびれていた事実をアッシュに打ち明ける。
父親は裏切者なのではなく、ただ権力抗争に巻き込まれただけであること。そして、父親を手に掛けたのはクラウス自身であること。クラウスもまた革命後の政権をにらんで暗躍していた政治家たちの陰謀にだまされていたのだ。
アッシュに父親の果たせなかった理想を実現するのだと言い残して、クラウス団長は意識を失った。急いでグラスゴーに運び込んだ結果一命は取り留めることが出来たがアッシュの心には深い痛手となってしまった。
しばらく自分を許すことが出来ずに苦悩していたアッシュを救ったのはエリナだった。自分達は未来のために出来ることを精いっぱいやってきた。悲劇を生んだかもしれないがそれを無駄にしないためにも責任は果たさなければならない。ドルフの野望を止めなければならないのだ。
エリナの言葉で立ち直ったアッシュは父親の形見であるオカリナを握り締め、最後の決戦地シュメリアを目指す。
p そのシュメリアでは異変が起きていた。3日ほど前ドルフが裁定の炎を携えて大聖堂に篭もって以来、強力なモンスターが大聖堂を中心に現れ始め、防衛隊を壊滅させているというのだ。今もまさに帝国兵がモンスターに襲われている。今や帝国の兵力は皆無に等しいようだ。
とにかく大聖堂に向かわなければならない。しかし、一行の前にまたしても魔導師ガモーが現れた。純粋で強力な力そのものが行き着く果てを見たいという彼が悪魔に魂を売ってでもという決意で立ちはだかる。
「奴の魔法攻撃に気をつけるんだ。左右から挟撃するぞ!」

第4節 大聖堂

ガモーを倒し、大聖堂の扉を開けたアッシュ達を待っていたのは、まるで友人を迎えるかのようにほほえみすら浮かべながら立っているドルフだった。すべてを破壊し尽くす「裁定の炎」を発動させれば世界が破滅に向かうことは目に見えている。なぜそんなことを望むのかとアッシュが問うと、ドルフからは意外な答えが返ってきた。
革命終盤、行方不明になったと言われている賢者アレスは、実はアッシュの父と同じように俗な権力抗争の犠牲になり殺された挙げ句、その事実すら闇に葬られたのだ。そしてアレスこそ自分の父親なのだと。
ドルフの静かな狂気はアッシュがつい先日襲われた怒りによる狂気と同じく、父親を不当に失ったことによる心の傷が原因だったのだ。しかし、気持ちが分かるからと言ってこの世界を破滅させようという試みを黙って見過ごすわけには行かない。
人は心に善と悪、愛と憎悪といった自己矛盾を抱えている。国家も同じだ。しかしどちらも見捨てるわけには行かない。滅ぼされてしまうわけには行かないのだ。
「この汚れた世界を浄化するためには破壊するしかないという私、それを清濁合わせ飲むという貴様、それができるというのなら、私を倒して世界を救ってみろ!」

特別節 トロアの試練6

グラスゴーの酒場にいた謎の男から、アッシュは最後の聖なる鍵キーオブヘブンを受け取った。彼は資格或る者にこの鍵を渡すことが使命だったという。
偉大なる救世主トロアのたどった神への道も最後の試練を残すのみとなった。アッシュは緊張した面持ちで試練場に向かう。

これで、ヴァンダルハーツのエンディングを迎えることが出来ると思います。あなたはMaster of Vandal Heartsに成れたでしょうか?エピローグでは、もう一波乱あるのですが、それはご自分で確かめてみてください。
では、Vandal Hearts攻略ガイドはこれで終了です。また、次のRPGでお会いしましょう。次は何にしようか・・・・



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